海外大学への進学を実現するためには、【海外大学のシステム】をきちんと理解しておくことが大切です。
国によって大きく異なりますが、まずはシステムの全体像をみていきましょう。
大学入試
海外大学へ入学する場合、日本のような「入学試験」というものはありません。
その代わりに、大学が指定する「必要書類」で総合的に審査されます。
国や大学によって求められる書類は異なりますが、基本的には以下の通りです。
- 入学願書
- TOEFLやIELTSなどの英語能力試験のスコア
- 高校または大学の成績証明書
- 銀行の残高証明書
その他、モチベーションレター、推薦状、芸術分野であればポートフォリオも別途に求められます。
特に、高校または大学の成績は入学の合否に大きく関わるので、海外大学への進学を目指している方は、早い段階から準備をしておくことが大切です。
大学からの合否通知は、出願から1カ月程かかります。
入学時期
海外大学の入学時期は、基本的に9月です。
ただし、アメリカは1月と9月に、オーストラリア・ニュージーランドは2月と7月に、それぞれ年に2回入学時期があります。
そして、マレーシアでは、海外大学のマレーシア分校や、提携大学とのカリキュラムの関係で、3回〜8回ほど入学時期を用意している大学もあります。
国別の修学期間
国によって修学期間が「3年制」と「4年制」に分かれています。
ここでは、人気の留学先アメリカ、カナダ、イギリス、マレーシアにフォーカスして、各国の大学の修学期間を確認していきましょう。
アメリカ
アメリカの大学は、日本と同様で4年制です。
英語力がある場合は、高校卒業後に希望の大学へ出願することが可能です。
大学によっては英語力がない場合でも、出願できる「条件付きの入学プログラム」があります。
入学して2年間は、一般教養を中心にさまざまな科目を学び、その間に自分にあった専攻を決め、3年目から専門的な勉強をしていきます。
コミュニティカレッジ
地域密着型の2年制大学「コミュニティカレッジ」は、4年制の総合大学に比べ、学費が安い、入学しやすい、という条件から、地元の人だけでなく、留学生にも人気があります。
- 英語力に自信がない
- 英語能力試験のスコアが足りない
- 留学費用を抑えたいと
いう方々に、2年制のコミュニティカレッジからスタートし、総合大学の3年目に編入するコースが人気です。
カナダ
カナダの大学も日本と同様、総合大学の修学期間は4年制です。
英語力がある場合、高校卒業後に希望の大学へ出願することができます。
アメリカの大学と同様、入学して2年間は、一般教養を中心にさまざまな科目を学び、3年目から専門的に学んでいきます。
コミュニティカレッジ
アメリカのシステムに近いカナダの大学ですが、アメリカのように、英語力がない方向けの条件付きの入学プログラムはありません。
そのため、英語能力試験のスコアが足りない場合、大学進学前に「コミュニティカレッジ」を受講する必要があります。
カナダのコミュニティカレッジは次の2種類です。
- 職業専門コース
- 大学編入コース
イギリス
イギリスの大学は3年制で、日本の大学を卒業した方は直接出願できます。
日本やアメリカの大学のように「一般教育」期間が設けられていないため、入学してすぐに専門的な知識を学ぶことができます。
ファウンデーションコース
日本の教育課程は、小学校から高校を合わせて12年間ですが、イギリスでは、
- 小学校6年間
- 中学校5年間
- 高校2年間
と、合わせて13年間の教育過程になっています。
日本の高校卒業後に進学を希望する場合は、「足りない1年間」を補うために、大学進学前に「ファウンデーションコース(大学準備コース)」を受講する必要があります。
ファウンデーションコースでは、
- 大学で専攻したい学科に沿った一般教養
- 大学へ進学するために必要な英語力
- 課題レポートの書き方
- 大学でのノートのとり方
など、大学の授業を受けるために必要な知識を身につけることができます。
また、日本の大学卒業者であっても、英語力に自信がない方や英語能力試験のスコアが足りない方は、このコースからスタートすることも可能です。
マレーシア
マレーシアは、イギリスのシステムの影響を強く受けています。
そのため、マレーシアの大学は、イギリスと基本的に同じシステムです。
特別プログラム
この他に、マレーシア独自の大学システムは次の通りです。
- 提携海外大学の学位も同時に取得が可能なデュアルディグリープログラム
- マレーシアの大学を卒業後、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの大学に編入が可能なツイニングプログラム
- 英語力が足りない方向けの条件付き大学入学
専攻の多さ
海外大学は、一つの大学で専攻が多いのが特徴です。
英語圏の大学では、専攻が600以上あると言われています。
最先端のテクノロジーを学ぶものから、ワイン学、カジノのディーラー学など、地域の歴史や産業に結びつくユニークなものもあります。
また、学生たちは進路変更も頻繁に行い、専攻の変更や、全く異なる2つの専攻を選択するダブルメジャーも一般的です。
大学の授業
日本では、教授が一方的に講義をする受動的な授業が多いですが、海外大学では、学生同士のディスカッションが中心に、能動的な授業が行われます。
成績の評価も、生徒の積極性や参加意識の高さが対象です。
就職活動
海外大学では基本的に「就職活動時期」というものはなく、個人で動かなければなりません。
また、新卒であっても、企業は職業経験を持つ人材を求める傾向があるため、インターンの経験が重要視されます。
3年制の大学であれば2年生で、4年制の大学であれば2、3年生でインターンを始めます。
まとめ
この記事では、海外大学のシステムの全体像
- 大学入試
- 入学期間
- 大学の修学期間
- 専攻の多さ
- 大学の授業
- 就職活動
をみてきました。
海外大学への進学を思い立ったら、まずは情報収集から始めましょう。
日本の大学のシステムとは大変異なるので、きちんと把握しておくことが大切です。
留学準備は余裕を持っておこなってくださいね!
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