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海外大学留学先として、世界各国含め日本からも高い人気を誇るオーストラリア。
オーストラリアの大学は、「一般教養科目がない」「3年間で卒業できる」など、日本の大学とは少し異なったシステムが設けられています。
本記事では、そんなオーストラリアの大学システムについて、詳しく解説していきます。
海外大学への留学先を探している方や、オーストラリアの大学留学に興味がある方は、是非参考にしてみて下さい。
学位について
オーストラリアの大学で取得できる学位は?
オーストラリアの大学では一般的に、バチェラー(Bachelor)と呼ばれるコースを修学し、学位を取得します。
このバチェラー(Bachelor)は日本の4年大学卒業と同じ学士号として通用します。
成績優秀者の称号オナーズ(Honours)
優秀な成績を修めた学生は、オナーズ(Honours)取得のため、さらに1年間大学での研究を延長できます。
このオナーズ(Honours)というのは、各学部や大学院が連携した研究教育システムです。
意欲のある学生がバチェラー(Bachelor)よりもさらに高いレベルの研究に取り組むことができ、成績優秀者の称号として知られています。
在学期間について
基本は3年制
オーストラリアの大学は、一般的に全て3年間でカリキュラムが組まれています。(一部4年以上のコースもあります。)
ただし、3年間で他国の4年制大学と同等(もしくはそれ以上)の知識を学ぶので、とても内容の濃い3年間であると認識しておきましょう。
日本とは異なり、入学への門が広く開いている分、卒業は簡単ではありません。
なぜ日本より1年短い?
日本の4年制大学では、初めの1年間で一般教養を修学し、後の3年間で専門科目を修学する、というのが基本的な流れです。
しかしオーストラリアの教育制度では、大学での一般教養科目を設けていません。
なぜならオーストラリアの教育カリキュラムでは、高校でこの一般教養科目に当たる内容を学ぶためです。
よって大学は1年目からすぐに専門科目を学ぶ場となり、結果日本の大学での1年分が短縮され、3年間の修学期間となっています。
では日本からの学生はどこで一般教養を学ぶ?
日本の高校卒業生はこの一般教養科目の履修が完了していないため、大学入学前にファウンデーションコース(Foundation year)という留学生向けの大学準備コースに通う必要があります。
このファウンデーションコースで基礎教養、そして英語力を磨いた後大学に本入学、という流れになります。
各大学はそれぞれ付属のファウンデーションコースを設けているので、進学を希望する大学付属のファウンデーションに入るのが一般的です。
大学に向けた専門知識もここで!
またファウンデーションコースは、人文系、理科系、商業系に分かれています。
自分の希望分野にあわせてコースを選ぶことができ、留学生が大学進学後もスムーズに学習を進められるよう、基本的な専攻分野知識もここで学ぶことができます。
大学進学の保証も
希望する大学の付属のファウンデーションコースに通い、一定の成績を修めることができれば、その大学への進学が保証されます。
ただし、付属ではないファウンデーションに通った場合や、途中で進学希望の大学を変更した場合などは、入学保証はありません。
入学方法について
ファウンデーションに入るには?
ファウンデーションコースに入るにはまず、最終学歴(高校)での成績証明書(*英語版)と自身の英語力の証明(IELTS、TOEFLが一般的)を提出します。
成績は、平均以上の成績平均点(5段階評価で平均3以上)が必要です。
求められる英語力は大学によって異なりますが、一般的にTOEFL( IBT)70点以上、IELTS5.5以上が目安です。
英語力が足りない場合
英語力が大学の求める基準に達していなくても、大学付属・連携の語学学校(英語コース)に通うことができます。
そこで英語を勉強し学校が求める英語スコアを取得できれば、ファウンデーションコースを始めることができます。
英語力が優れている場合
ファウンデーションコースは主に英語力をもとに、受けるコースの期間が決まります。
一般的には1年間、英語力次第では半年や3ヶ月、また1年以上かかる場合など様々です。
しかし、最終学歴での成績が基準を満たしている上で、英語力が著しく優れていることが証明できた場合、ファウンデーションコースが免除になる場合もあります。
ファウンデーション以外を通しての進学方法
ファウンデーションの他にも、TAFE(Technical and Further Education)というディプロマ(Diploma)コース(=準学士号)を通しての大学進学も可能です。
TAFEはオーストラリアの専門学校・職業訓練校で、職業に役立つ専門知識や技術を学ぶための学校です。
TAFEでのディプロマコースは基本2年制で、修了後大学への編入・進学が可能となります。
オーストラリアの学期制について
基本は2学期制
オーストラリアの大学は基本的に2学期(2 semester)制です。
毎学期ごとに履修登録をし、学期末に試験を受け(または期末最終課題を提出して)、成績が出ます。
2月と7月が入学・卒業のタイミング
2学期制の年間スケジュールは以下の通りです。
2月~6月 1学期(Semester 1)
6月~7月 冬休み
7月~11月 2学期(Semester 2)
11月~2月 夏休み
ファウンデーションコースも同等のスケジュールになり、各学期ごとに入学と卒業の機会が設けられています。
サマーセメスターもあり
11月から2月にかけての夏休み期間に、短期のサマーセメスター(夏の短期集中学期)を設けている大学もあります。
履修できる科目やコースは限られていますが、サマーセメスターで単位をいくつか取得すれば、後の学期での負担を削減できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、オーストラリアの大学システムはどういったものなのか、学位、在学期間、入学方法、そして学期制について詳しく解説してきました。
日本と異なるオーストラリアの大学のシステム、少しややこしいと感じるかもしれませんが、
・オーストラリアの大学は2学期制で、2月入学と7月入学がある
・留学生は大学本入学前に、大学準備コース(ファウンデーションコース)を受ける
・大学は基本3年で卒業できる
の3点をまずは覚えておけば安心でしょう。
「日本の高校を卒業後オーストラリアの大学に入学する方法」や、「現在在学中の大学からオーストラリアの大学へ編入する方法」は、一連の流れを別記事で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてくださいね。