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世界のトップレベルの大学がそろっているイギリス。
英語圏最古の大学であるオックスフォード大学が創立されて以来、ヨーロッパ諸国を中心に世界中の学生を受け入れてきた歴史を持っています。
最先端の設備と授業内容で、世界中の企業から信頼されているイギリスの大学は、グローバルに活躍する人たちを多く輩出しています。
この記事では、日本の高校を卒業した方が「イギリスの大学」へ進学するための流れをわかりやすく解説しています。
ぜひ参考にしてください!
イギリス大学の魅力
留学生の割合がトップクラスのイギリスの大学。
数ある海外大学の中で、なぜ世界の学生はイギリスを選ぶのでしょうか?
ここでは、その魅力をご紹介していきます!
高い教育水準
オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、誰もが一度は耳にしたことがある超有名大学がそろうイギリス。
国は、公的独立機関であるQAA(Quality Assurance Agency for Higher Education:高等教育質保証機関)を介して、高等教育の質を保証するためのチェックを常に行っています。
その報告内容は誰でも見ることができるようにオンラインで公開し、大学選びの参考にしている人も多く、国によって教育水準がしっかりと守られていることが分かります。
そんなイギリスの大学の数は約100校ほどで、同じく世界トップレベルの大学が揃うアメリカの約4000校に比べるととても少ないですが、世界大学ランキングの100位には、
- イギリス 11校
- アメリカ 38校
と、相対数の割合で見ると、ランキングインしている大学はアメリカは約4%、そしてイギリスは約10%と、そのレベルの高さがわかります。
専門コースが多種多様
「イギリスの大学に行ってみたいけれど、何を勉強すればいいかわからない・・・」
という方にぜひ調べていただきたいのが、イギリスの大学のバラエティーにとんだ専門コースです。
例えば、留学生に人気の大学ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンには、なんと400を超える専門コースがあり、「言語学」一つとっても、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語などのスタンダードなものから、
- ギリシャ語と英語
- ラテン語と英語
- ヨーロッパ諸国の言語と歴史
- ヘブライ語とユダヤ人研究
- 古代言語
など、トータルで27コースもあります。
そのほかにも、日本の大学では学ぶことができない専門コースもあるので、興味のある分野を見つけることができます。
卒業すると労働ビザの申請ができる
2021年にイギリスの学生ビザの制度が大きく変わり、学生ビザ所有者の留学生であれば、「卒業生ビザ(Graduate Route)」 を申請できることになりました。
卒業生ビザは「就労ビザ(Post-study Work Visa)」とも言われ、審査にパスをして取得すると、2年間、イギリス国内での就労が可能になります。
2021年以前は、就労ビザを取得する場合、学生ビザを保持しているうちに就職先を決めなければなりませんでしたが、この卒業生ビザでは就職先を決める前に申請できます。
取得後の2年間は仕事の内容や最低給与の条件もないため、自分が学んできた分野を仕事につなげやすくなったと言えるでしょう。
このシステムにより、世界に通用するキャリアを身につけるチャンスが広がりました。
イギリス大学のシステム
アメリカとは異なるシステムを持つイギリスの大学。
自分の目標にあった大学選びをしましょう。
大学の種類
日本の高校卒業者がイギリスの大学に進学するためには、まず「ファウンデーションコース」から始めます。
ファウンデーションコース
日本の教育課程は、小学校から高校を合わせて12年間。
ところがイギリスは、小学校6年間、中学校5年間、高校2年間、合わせて13年間の教育過程です。
この1年の違いを補うために、日本の高校卒業者は、ファウンデーションコースという大学準備コースを受講しなければならないのです。
ファウンデーションコースで学べることは次の通りです。
- 大学で学ぶための専門的知識
- 講義についていくために必要な英語力
- 課題レポートの書き方
- 効率の良いノートのとり方
など、イギリスで学ぶために必要な基礎知識を身につけることができます。
3年制大学
イギリスの大学は、基本的に3年間で卒業できます。
日本やアメリカの大学とは異なり、「一般教育」期間が設けられていないため、入学してすぐに専門分野を学ぶことができます。
イギリス大学で取得できる学位
イギリスの大学で取得できる学位は、次の通りです。
バチェラーディグリー(Bachelor’s Degree)
バチェラーディグリーは日本の「学士号」にあたり、イギリスの3年制大学の学習プログラムを修了したことを証明する学位です。
- Bachelor of Arts(BA):文学士
- Bachelor of Science (BSc):理学士
- Bachelor of Education(BEd):教育学
- Bachelor of Engineering(BEng):工学
など、数多くの種類があります。
修了書
バチェラーディグリーを取得する前に、次のような修了書も発行されます。
- 大学1年目:高等教育サーティフィケート(Certificate of Higher Education /Cert.H.EまたはCertHE)
- 大学2年目:高等教育ディプロマ(Diploma of Higher Education /DipHE)
出願に向けての準備
イギリスの多くの大学は「ファウンデーションコース」を設けています。
そのため、どこの大学へ進学したいか、何を学びたいか、を早めに決めておくことが大切です。
ファウンデーションコース
受け入れる大学によって出願書類の内容は異なりますが、一般的には次の通りです。
- 英語能力試験のスコア(IELTSスコア4.5以上)
- 高校の成績・卒業証明書
- 高校の先生からの推薦状英作文
手続きの流れ
高等教育の出願機関「UCAS(The Universities and Colleges Admissions Service)」のサイトから、必要書類を提出します。
選考コースによって出願期間は異なりますが、多くの場合、前年の9月中旬〜入学希望の年の1月15日までです。
メリット・デメリット
ここではイギリスの大学へ進学する最大のメリットとデメリットをご紹介します!
メリット:日本人留学生が少ない
世界大学ランキングの留学生の割合を見ると
- オックスフォード大学 42%
- ケンブリッジ大学 39%
- インペリアル・カレッジ・ロンドン 59%
- ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン 57%
と全体の半数近くが外国人のため、大学の留学生サポートサービスがとても充実しています。
これだけ留学生が多いということは、「イギリスの大学を卒業=世界で共通するスキルが身についている」と評価される証拠と言えます。
しかし、海外留学協議会の調べによると、短期の語学留学を含む、日本人留学生の数は次のようになっています(2019年版)。
- アメリカ 1万7千642名
- オーストラリア 1万6千426名
- カナダ 1万5千725名
- フィリピン 8万232名
- イギリス 6千480名
留学先の5カ国の中で、日本人留学生が少ないことがよくわかります。
そのほとんどが3カ月以内のロンドン滞在に集中しているため、イギリスの大学には日本人留学生が少ないのです。
そのため、他の国よりも、さらに世界中から集まってきた多種多様な文化背景をもつ学生と一緒に学ぶことができます。
そして、本当の意味の国際感覚を身に付け、世界で通用する学位を取得できるのが、イギリスの大学へ進学する最大のメリットといえるでしょう。
デメリット:履修期間の短さ
イギリスでは実際に授業を行う期間は年間でトータル6カ月〜7カ月。
授業は少人数のグループワークやセミナー形式が多く、ディスカッション、そして大量の課題レポートが中心となり、ほとんど勉強漬けの日々を送ることになります。
さらにサマーホリデーなどの長期休暇は、テスト準備や追試、遅れを取り戻すための勉強期間になるため、年の半分近くが「休暇」とはいえ、ほとんど休むことができません。
3年間で卒業できるイギリスの大学は、入学してすぐに専門分野を学べるというメリットもありますが、この履修期間の短さが、最大のデメリットにもなりえます。
まとめ
この記事では、イギリスの大学へ行く進学ガイドとして
- イギリス大学の魅力
- イギリス大学のシステム
- 出願に向けての準備
- メリット・デメリット
をご紹介しました。
イギリスの大学システムは日本やアメリカと異なるため、きちんと事前に調べ、間違いがないよう、時間に余裕を持って確認していきましょう。
また、日本人留学生の進学率が少ないイギリスの大学の学位を取得することで、世界を視野にした就職活動に大変有利に働きます。
初めて留学準備をする方や、留学で失敗したくないという方は、一度留学エージェントに相談してみましょう。
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参考サイト
- QAA:https://www.qaa.ac.uk
- 海外留学協議:https://www.jaos.or.jp